1月26日
トピナンバー塊茎エキスで腸内フローラ及び
肥満の改善(論文)
医学博士クラウス・モア
夏の終りに、小川の辺りや野原に黄色いトピナンバーの花が咲くのをよく見かける。秋にはトピナン
バーの塊根をざる一杯に収穫して生で食べたり茹でて食べたりします。
トピナンバー塊根は、自然療法の薬草としてホメオパシーの医学書に紹介されているが、塊根には
「イヌリン」という特殊な炭水化物が含むとしか記述されていない。イヌリンは多糖類の一種で、鎖
状のブドウ糖から成り澱粉とは異なり、フルクトースがグリコシド結合してできた成分が約95%で
ある。フルクトースは肝臓内では、インスリンに関わりなく利用され、インスリンがないと代謝でき
ないグルコースとは作用が異なる。そのため、フルクトースは砂糖の代替品として糖尿病患者に投与
されている。
トピナンバー塊根には、ブドウ糖からなる澱粉の代わりにイヌリンを含むため、古くから「糖尿病
の芋」として食されてきた。ここでは、トピナンバー塊根に含有するイヌリンの小腸における生化学
的作用がどのように糖尿病患者の代謝改善に関与するかについて記述する。
イヌリンは小腸では分解されず、フルクトースは結合した状態で吸収される。これは、栄養の代謝
が円滑に行われない場合に非常に効果をもたらす。例えば、炭水化物の供給を減らすことを期待する
トリグリセリド病患者や体重増加の肥満症状に適している。
肥満についての医学的所見は、ごく一般的であり、減量に関する治療の可能性はいまだに満足でき
るものは少ない。治療現場の医者のアドバイスも、「糖分や脂肪の摂り過ぎは体重超過をまねきます
よ!」などの助言にとどまり、具体的なコンセプトが充分でない。
新鮮な状態で保存されたトピナンバ―塊根を、毎日の食生活における栄養源として取り入れること
により、ダイエットのコンセプトに適合する。
新鮮なトピナンバーの塊茎は、原則として自然農法により管理栽培されたもので、有用成分である
イヌリン、必須アミノ酸、コリン、ベタイン、フラボノイド、グリコシド、ビタミン、酵素、ミネラ
ル、サポニンをバランス良く含む。新鮮なトピナンバ―塊根の圧搾エキスまたは、フリーズドライ法
で乾燥した製剤を「噛むタブレット状」にした製品はレホルムハウスで購入できる。
そとで、トピナンバ―塊茎に含まれるイヌリンについて簡単に説明する。イヌリンは細胞間基質を
形成している非栄養価物質で、腸内の消化酵素により作用されないため、消化液を包む形でゲル状と
なり大腸に達し、蠕動運動を促して腸内の通りをよくする。
細胞間基質を形成するフスマ(繊維質)は、食物繊維と胆汁酸が複合しゲル状の繊維を作る。この
繊維は、体に過剰なコレステロールを取り除き、胆汁の分泌を抑制する。
また、イヌリンによって生成されたゲル状繊維は、胃の下部と小腸を満たし、少なくとも胃壁の大
部分と小腸壁を覆い炭水化物の吸収を妨げる。
炭水化物が緩やかな速度で低分子量に分解されるため、インスリンの分泌量を抑制することができ
る。一般的に、急激な血糖値の上昇はインスリンの分泌を過剰にする。また、インスリンが過剰に分
泌されると血糖値が急激に低下する。この場合、血糖値の低下は脳内の食物摂取をコントロールする
中枢神経が刺激されるため、激しい空腹感を引き起こす。
この空腹感は、栄養過剰でフスマ(繊維質)の少ない炭水化物を主食とした食事を摂った後、数時
間してから起こる典型的な現象である。このような状況で起こる血糖値の低下は、集中力の欠如や疲
労感、そして苛立ちなどを引き起こすことがある。
このように、空腹感に耐えられなくなると、インスリンの分泌が過剰になり、血糖値が急激に下が
る状態が繰り返され、理論通りの結果をまねき健康障害や作業能力の低下、そして気分の落ち込みや
肥満などの障害を起こしやすくなる。
血中の余分な糖分は、過剰なインスリンの分泌をまねき体内で脂肪に変換される。このような現象
は、肥満体型でのインスリン分泌不足が原因ではない、インスリンの受容体が減少するタイプ・の高
齢者の糖尿病患者に見られる。その結果、さらに腸内消化液の分泌機能が低下するほど高いインスリ
ン値が認められる。
細胞基質を形成している夾雑物質としてトピナンバーのイヌリンは、急激に移行する血糖値の悪循
環を断ち切る、インスリンの投与依存を低く抑えることが可能だ。そのため、トピナンバ―の塊根は
「糖尿病の芋」と呼ばれている。
タイプ・の糖尿病患者には、トピナンバー塊根の摂取を減らすことができるが、タイプ・の糖尿病
患者には摂取量を増やすと効果的である。
トピナンバー塊根を用いるために3つの重要なポイントがある。
1、理想体重を維持するために
266人の肥満者に対し、トピナンバー成分を調合したものと、調合しないものを用いて類似療
法(ホメオパシー)的調査をした。
計画的な食養生を12週間実施した結果、トピナンバー成分を与えられた患者では平均7、1キ
ロの減少が見られた。トピナンバー成分を含まない計画的な食養生では平均で4、7キロの減少
が見られた。40人のトピナンバー成分を含まない食養生をしたグループよりも明らかに効果が
高かった。
2、血糖値の激しい低下が正常に
細胞間基質を形成しているイヌリンを含む夾雑物質は、糖分が門脈と肝臓に吸収されるのを遅ら
せるので、イヌリンの過剰な分泌を抑制することができる。インスリンは、糖分が体内細胞に供
給されるき必要な成分である。余剰なインスリンは脂肪になり、過剰なインスリンの分泌は血糖
値を最低限まで下げてしまう。この現象が激しい空腹感を誘い、とくに糖分を要求するのである。
3、腸内フローラの改善に
イヌリンは人の胃腸の酵素では消化されず、そのため糖分は分解されずに大腸に達する。大腸フ
ローラのビフィズス菌などの常在菌は、イヌリンを独自の代謝に利用し増殖させる。乳酸から作
られるビフィズス菌は、体の健康を促進させる特性があり、自然療法の立場では重要である。
東京大学農学部の光岡教授とそのグループの研究(腸内フローラに於けるフルクトースの効果:
栄養学31〈1987年〉、427〜436)
毎日8gのイヌリン(特殊フルクース)の摂取で、腸内のビフィズス菌が約10倍に増殖された
と報告している。